■■生涯学習 か・く・ろ・ん −主体・情報・迷路を遊ぶ−
1991年4月25日 第1版
第1部 「個の深み」への注目、そして、支援
はじめに −「個の深み」とは何か−
1 社会教育における組織と個人
(1) 「組織的教育活動」の従来の解釈
(2) 集合学習偏重から個人学習の重視へ
(3) 組織・社会にとっての「個の深み」と社会教育
−個人学習の支援から、さらに「個の深み」の支援へ−
2 講義型学習と社会教育、高等教育
(1) 社会教育における講義型学習への反発と回帰
(2) 社会教育のアナロジーとしての高等教育
(3) 講義からの「逃避」に隠された弱点
−多数者の主体性の支援からさらに「個の深み」の支援へ−
3 「個の深み」を支援する講義技術
(1) 「個の深み」を支援する講義技術
(2) 反応・発展の個別化を促進する方法
(3) 書くこと・・・「出席ペーパー」の意義と実際
(4) 「個の深み」を考える
−まとめと問題の所在−
視点1 イチ(市)とクラ(蔵)によるモノの拠点
−西武ロフトがとらえた若者たち−
視点2 個としての主張を援助する新しい民間教育事業
−東急クリエイティブライフセミナー渋谷BE−
視点3 「個人」がいきいきするしかけ
−横浜女性フォーラムの情報・施設・講座−
視点4 「個の深み」を尊重し助長する団体活動の形態
第2部 情報の主体的な受信・発信をめざして
1 現代都市青年と情報
−ヤングアダルト情報サービスの提唱−
はじめに
(1) 青年と情報環境
(1) −1 現代都市青年の情報化不適応
(1) −2 青年をとりまく情報の特質
(1) −3 情報の限界
(1) −4 情報能力と情報必要(ニーズ)をめざして
(2) 公的情報提供−ヤングアダルト情報サービスの提唱−
(2) −1 情報の提供にともなう操作性
(2) −2 青年の要求にこたえるヤングアダルト情報サービス
(3) ヤングアダルトのための情報
(3) −1 提供する情報の基本的性格
(3) −2 青年が要求する情報と、青年に必要な情報
(3) −3 人間の情報
(3) −4 生活の情報
(3) −5 連帯の情報
(3) −6 地域情報と行政情報
(4) 青年とともに育つ情報サービス
(4) −1 「ともに育つ」情報提供
(4) −2 ネットワークとインフォメーションリーダー
(4) −3 パソコン通信の活用
(4) −4 情報ユースワーカーの役割
(4) −5 情報サービスと「教育的役割」
(4) −6 情報と知的生産
2 パソコン・パソコン通信と青年
−成熟したネットワークとは何か−
(1) パソコンの急速な普及と未成熟性
(1) −1 青少年から始まったパソコン
(1) −2 パソコンの機能と新しい文化
(1) −3 パソコン文化の未成熟性とパソコン通信による成熟化
(2) ネットワークを体現するパソコン通信
(2) −1 新しいコミュニケーション環境
(2) −2 スタンド・アローンがネットワークする
(3) パソコン通信における新しい「知」と「集団」
(3) −1 ROMの存在
(3) −2 新しい「知」の誕生
(3) −3 新しい「集団」の形成
3 パソコン通信は生涯学習に何を与えるか
(1) 「在来型の生涯学習」を支援する
(2) 「新型の生涯学習」とは何か
(3) ミスマッチ、アバウト、ジグザグ
(4) コミュニケーション型学習
(5) ネットワークによる知的生産
視点1 生涯学習関係者のパソコン・ネットワーク
−AV−PUBのサロンで「私的」交流−
視点2 学習情報提供事業の企画と展開
−人間が学習情報を求めている−
視点3 学習情報提供の実際
第3部 主体的な学習を個人がとりもどすために
1 子どもたちの団体活動
−そこに秘められている大いなる教育力−
(1) 教育とは子どもがワクワクする営み
(2) 少年団体活動とは子どもの「準拠枠」に迫っていく活動
(3) 少年団体活動には教育力があふれている
(3) −1 体験のもつ教育力
(3) −2 参画のもつ教育力
(3) −3 地域活動のもつ教育力
(3) −4 仲間集団や異年齢集団のもつ教育力
(4) 子どもにだって「個の深み」がある
2 地方自治体における学習プログラム作成の視点
(1) 知と健康のネットワークを支援するシステム
(1) −1 過去の団体中心主義と現在の施設中心主義
(1) −2 ピラミッド型からネットワーク型へ
(1) −3 啓蒙主義の発展的解消としてのネットワーク型問題提起
(2) 年間事業計画の作成
(2) −1 地域の実態、行政の実態をとらえる
(2) −2 学習要求をとらえる
(2) −3 「公的課題」の優先
(2) −4 学習課題を整理する
(3) 個別事業計画
(3) −1 「学習ニーズ」の優先
(3) −2 参加対象をどう設定するか
(3) −3 各コマの学習目標・学習主題・学習内容を設定する
(4) 学習プログラム作成上の今後の課題
視点1 あたたかいディスコダンス
視点2 レクリエーション的な要求への対応
視点3 高齢者教育における学習課題のとらえ方
視点4 グループリーダーの新しい形
視点5 リーダー研修に望まれる内容
視点6 学習圏構想によって生み出される自治体のアイデンティティ
−東京都足立区の生涯学習推進構想−
■■こ・こ・ろ 生涯学習
−いばりたい人、いりません−
第1部 生涯学習するこころとは何か
1 フリーチャイルドの心をとりもどす
(1) ガンバリズムで自分をごまかすことをやめる
(2) 人間らしい心を取り戻す
(3) フリーチャイルドの心で学ぶ
(4) 学習とは、自分が自分を変えること
(5) 学習とは、水平なギブ・アンド・テイクのネットワーク
(6) 何で生きてるの?
(7) 生きる力としての主体性をはぐくむ学習を
2 生涯学習理念はなぜ新しいのか
(1) あらゆるひと・機関・施設が生涯学習の振興のために手をつなぐ町
(2) 傷つけあう関係ではなく、ともに支えあう関係にあふれる町
(3) 人間が疎外されることなく、ともに幸福を追求しあう町
(4) 一人ひとりが楽しくいきいきと仕事や学習に励める町
(5) 地球や人類の将来を憂えるグローバルでやさしいこころをもつ町
(6) 一人ひとりの個性がのびのびと発揮される町
3 学校週5日制で問われる大人の主体性
(1) 青少年団体自身が拒否すべき安易な受け皿論
(2) 新しい土曜日の個別性
(3) 新しい土曜日が求める主体性
(4) ヒエラルキーへの従属からネットワークの主体へ
(5) 「個の深み」とMAZE(社会教育の新しい展開)
(6) マニュアルを越えて
第2部 こころを開く態度変容の学習
1 こころを開いて交流できる仲間づくりの方法
(1) あったかいディスコ
(2) いっしょにつくりあげるから「あったかい」
(3) 安心してしゃべれる会議
(4) 仲間とゴハン・オフロ・フトンをする意味
(5) 自然に仲間づくりができるようにするための演出
(6) てれないで、ロールプレイング
(7) ロールプレイングによって実感をともなって見る
(8) ロールプレイングによって「信頼感」を呼びおこす
2 授業の主体的な楽しみ方
(1) まじめな人の問題点
(2) 君の主体を問う
(3) 知のヒエラルキー vs ネットワーク
3 情報へのネットワーク型アクセス
(1) 過去の知の重力圏からの脱出
(2) 本の私有と共有の方法
(3) 電子化された情報・映像化された情報
(4) 情報とストロークの発信
第3部 主体的学習へのいざない方
1 学習相談がめざすもの
(1) 学習相談は、従来の日常的相談でも、現在の学習情報提供でもない
(2) 学習相談とは何か
(3) コンピュータの効果的活用と人間の介在の必要性
(4) 生涯学習の主体としての自立への援助
(5) ネットワークの中でともに育つ
2 保護や管理ではなく自由への恐怖を与える
(1) 自分は求めるけれど、人にはあげられない
(2) 現実原則の中でのストロークの自己管理を
(3) コミュニケーションの成熟化と無力化
(4) 管理や保護よりも自由を
ボクと出席ペーパー(本文中に散らす)
( 1) 学校教育への恨み
( 2) 勤勉主義のごまかし
( 3) 授業は勝負だ−ビートたけしに勝つ授業を公言することの意味
( 4) 学習に対する強迫観念
( 5) 学生の敗北主義に対する教師のエンカウンター
( 6) 身勝手な恋愛観
( 7) 対等な人間関係の中での性的興奮や快感を受容できない
( 8) 気をつかうな、気のきく人になれ
( 9) 教師や他人の自信を不快に思う敗北主義
(10) ヒエラルキーへの抵抗
(11) 信用ではなく信頼を
(12) 強力な幸福願望と自分の幸せについての懐疑
(13) アイデンティティの喪失
(14) 今の自分や他人を判断したくない気持ち
(15) 他人の「聞く耳」がこわい
(16) 人間不信の深み
(17) 集団への帰属に対する拒否感
(18) 山アラシのジレンマ
(19) 自己表現の不器用さと表現の解放
(20) 共感的理解の能力の必要
(21) 自分のために生きる−ギブ・アンド・テイク
(22) 仲間の撤退を許すネットワークマインドを身につけよ
■■癒しの生涯学習
Lifelong Learning for Healing
−ネットワークの
あじわい方とはぐくみ方−
第1章 癒されない3つの病理
1 家族関係の病理・・・・・14
2 教育システムの歪み・・・・・22
−ぼくたちはいったい何のために学んでいたのか−
3 自分自身の内なるピアコンセプト・・・・・30
第2章 癒しと貢献の自己決定入門
1 事実よりも真実・・・・・34
2 合格はラッキーではなく不幸なのか・・・・・38
3 奴隷の覚悟を決める・・・・・40
−積極的積極性と消極的積極性−
4 空しさに耐える・・・・・44
5 自己受容による自己変容・・・・・50
6 自罰と他罰のデリケート・・・・・54
−淋しがり屋のタカビー−
7 指導者としての責任のもち方・・・・・58
−共感的理解は義務なのか−
第3章 気づきと癒しのネットワーク心得
−自他否定と仮面演技の上下同質競争から、
基本的信頼と共感的理解の水平異質共生へ−
1 あんた世間なめてんじゃない?・・・・・62
2 見返りを押しつけるな、見返りが期待できるような行為をせよ・・・・64
3 「ましなろくでなし」であればよい・・・・・66
4 枝葉としての幸福追求・・・・・70
−積極的積極と積極的消極の連動−
第4章 知的水平空間における指導批判の方法
1 権力にしっぽを振るな・・・・・74
−教師の葛藤より学習に重大なもの−
参考資料 「先生という言葉をやめてみよう」・・・・・77
2 教える側の義務の限定と、学ぶ側の批判範囲の限定・・・・・78
3 「ヒハンのペーパー」の存在価値・・・・・82
第5章 癒しのサンマのつくり方
1 チ・イ・キなんかが若者の居場所になるの?・・・・・92
−未来型生涯学習支援サービスをめざして−
◇学校・職場・家庭・社会からの地域教育力への空念仏をやめてみたら?…◇若者の巣立ちの場としての地域を地域自身が受容できるか…◇新型キーパーソンの登場と未来型生涯学習支援サービス
2 出入り自由の「こころのネットワーク」の運営法・・・・・98
◇ヒエラルキーを蹴飛ばすプータローの「自由な遊び心」…◇自分の人生をていねいに大切に生きたいという「ミーイズム」の肯定…◇アイデアはバラバラだけれど、そのひとつひとつが宝物…◇プータローの自由のつらさ…◇撤退自由のネットワークにおける「潔い撤退」…◇出入り自由の淋しさを受容する…◇よその地域の青年たちの意味…◇キャンプは夜だ…◇若者が自分のお金を払う時…◇空白のプログラム…◇善と悪、薬と毒の混在するアンビバレンツな人間存在への関心…◇狛プーはスムーズな自己開示のネットワークである…◇男と女の出会いのための公的サービス…◇いい男、いい女さえ支援すればよい…◇「おうち」としての狛プー(狛プーの公的・現代的意義)…◇癒しと成長、受容と変容の好循環
第6章 生涯学習時代における大学の役割
1 高等教育の根底的転換・・・・・118
◇現代人の生涯学習欲求の高まりの反映として…◇市民の多様化・高度化する学習ニーズへの対応を…◇市民の潜在的学習欲求の顕在化のための学習内容・方法の開発を…◇高等教育の制度等の柔軟化と個性化を…◇市民・学生のための大学からの情報発信と、大学へのアクセシビリティの確保を…◇市民・学生の学習成果への評価と、市民・学生からの事業・授業への評価を…◇学内に全体的・総合的な生涯学習推進組織を…◇他大学・他機関との生涯学習ネットワークの形成と地域生涯学習推進計画の実現を…◇生涯学習理念にもとづく大学の自己革新を
2 高等教育内容7つの転換・・・・・128
◇転換1−自己決定・自立支援型にする…◇転換2−双方向・水平交流型にする…◇転換3−いつ・どこ・だれ・なに型にする…◇転換4−おもしろ・感動型にする…◇転換5−課題提起・解決型にする…◇転換6−生きがい創出型にする…◇転換7−信頼・共感・癒し型にする
参考資料 「生涯学習の再定義」・・・・・・・131
第7章 ボランタリズムのシドウ
1 大人社会の御都合主義批判・・・・・134
−楽しい生涯学習施設経営と楽しいボランティアのために−
2 おわりに−ボランタリズムとその指導・・・・・140
−アンビバレンツな人間存在と、善と悪の真実を追求する方法−