昭和53年9月30日 けやき 第14号 自主事業のひとこま ―ダンスフェスティバル進行中― 西村美東士 去年、十二月十日、私が初めて持つ主催事業、「ダンスフェスティバル」が行なわれた。一泊二日で、最初の夜を、新宿のディスコの店の人を講師とした「ディスコタイム」、次の日を、フォータダンス連盟の人を講師とした「フォータダンス・レクダンスタイム」とした。ディスコについては、社会教育事業の中では、いまだ市民権をもっていないが、ディスコを社会教育に位置づけることもこの時のねらいであった。ディスコを踊るのは、楽しい。一昔前のゴーゴーも楽しいが、法則性をもったステップを皆で合わせて踊るのもさらに楽しい。しかし、ディスコの店の中で、青年たちは、意外なことに、ひとりぼっちである。ステップを合せた瞬間の連帯感は、ひどくたよりない。そして、、うまく踊れなくて隅で、ちぢこまっている連中は「カッコ悪い」連中。それが、かわいい女の子でもない限り、教えてやろうなどとは夢にも思わない。今回の「ダンスフェスティパル」は、ディスコを踊る楽しさを味わうこともさることながら、そういう「踊れたくてもついてゆけない」仲間を、フロアにひっぱり出して楽しく踊れるよう心がけた。このような「あたたかい」ディスコは、お店では、なかなかできないと思う。その後、実行委員会を組織し、今年に入って、「ジルパフェスティパル」を行なった。今度は「ミニダンスフェスティパル」を行なう。いずれも五十人程度の「ミニ」だが、後者では、参加者が、客としてではなく、「講師」として参加する。東京のいろいろなサークル、特にレクリエーションサークルが得意のダンスを教えあい、交流する機会になればと思っている。(社会教育主事)