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若者文化研究所は若者の文化・キャリア・支援を専門とする研究所です。

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社会をどう受け止めるかCONCEPT

社会をどう受け止めるか

『世間』に出たとたん、土砂降りだった・・・
    若者文化研究所 西村美東士
フリースクールのある若者に、「社会についてどう思うか」と聞いたところ、「社会といわれてもピンとこない。世間ならわかる。世間は好奇の目で自分を見ている。そして、学校から世間に出た途端、土砂降りだった」と答えた。いま、トランジション(学校(での教育)から社会(での労働)へのスムーズな移行)などの言葉が重視されているが、それを超える若者と社会との大きな断絶が見える。社会は個人にとって地獄なのか。


個人完結型から社会開放型への転換による新しい価値の創造

白百合女子大学「文化比較・行動比較分科会」および「乳幼児発達研究会」
2021年4月17日(土) 14:00〜16:00オンライン実施

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現代QOL学会 討論「コロナ危機における心身のケアと教育」討論
2021年4月18日(日) オンライン実施

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学生の社会化を支援する大学授業の方法論



学生の社会化を支援する大学授業の方法論

徳島大学『大学教育研究ジャーナル』1号、pp.1-19、2004年3月

西村 美東士 (徳島大学 大学開放実践センター)

要約:われわれは、学生の社会化状況を分析してその類型化を試みるため、次の研究を行った。I双方向要素を取り入れた授業を試行し、それぞれの要素が学生の社会化に対してどのような効果をもたらすかを検討した。II社会からの青少年の社会化に関する要請の近年の動向を、年次ごとの文献分析を通して把握した上で、大学教育がそれにどう対応すべきかを検討した。III社会化に関する学生の記述内容を分析し、「自分らしさ」に関する意識との関連から「主観的自分らしさ優先型」「同化圧力としての社会化型」「社会への組込まれ必然型」「社会と自己相互発展型」の4類型を導き出した。IV現代青年への質問紙調査の結果を「合意形成への態度」と「自分らしさ」に関する意識との関連の観点から分析し、「貫徹志向とことん型」、「貫徹志向あきらめ型」、「状況志向あきらめ型」、「状況志向とことん型」の4類型を設定した。以上の4つの研究から示唆された方向に基づき、学生の社会化類型に応じた望ましい大学授業の方法に関する仮説を検討した。

(キーワード: 大学授業、社会化、自分らしさ)

→英訳


どのようにして社会のなかで生きればよいか

 私の開発した「自己相対視トレーニング」で、同じフリースクールの若者に、「組織にとって自分は何か」と聞いたところ、「歯車だ」という答えだった。半年後、彼に同じ質問をしたところ、「半年前は歯車と答えたのを覚えているが、いまはパーツだと思うようになった」と答えてくれた。歯車はなんの意思もなく、上から動かされているだけだ。しかし、パーツは独自の役割を果たしている。「社会の中で自己の位置決めをすること」、これが、地獄としての社会から脱出するための私の答えである。このことについて考えていこう。゛
つづく


個人化と社会化の定義

 私は支援理念研究にあたり、次のように定義づけている。社会化を「社会の中でより充実して生きるための能力(知識・技能・態度)の獲得過程」として定義を設定した。また、青少年個人は、このような社会化ニーズと並行して個人化ニーズともいうべき願望等を有していることに注目する必要がある。そのため、私は、「個人化」を「社会化」と対比させ、「個人としてより充実して生きるための能力の獲得過程」として設定した。

想定される結論−個人化と統合的にとらえる社会化モデルの解明が必要

 これまでも、青少年に対しては、個人としての充実のための支援とともに、望ましい社会化を支援するための方策が講じられてきた。しかし、本研究成果から、青少年の社会化支援施策の効果について次の阻害要因が導かれた。第1は、社会が求める「社会化」が、青少年の実態に対応できていないこと、第2は、青少年が求める「個人化」欲求が、社会化と統合的にとらえられていないことである。そのため、「仲間とよりよく生きる」ことを望む彼らの「萌芽的な社会化欲求」に対して、適切な支援を行うことができず、社会参加から参画に至るまでの展望を明快に示すことができなかったと考えられる。この点で、社会化モデルの解明の意義は大きいと考える。
現代青少年に関わる諸問題とその支援理念の変遷−社会化をめぐる青少年問題文献分析 より


参考:自著「個人化の進展に対応した新しい社会形成者の育成」


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