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社会教育論文作成支援におけるコンセプトマップとマインドマップの使い分け

社会教育論文作成支援におけるコンセプトマップとマインドマップの使い分け

社会教育論文作成支援におけるコンセプトマップとマインドマップの使い分け

若者文化研究所 西村美東士

社会教育論文作成支援におけるコンセプトマップとマインドマップの使い分け

noteへの投稿を再掲します。



以下は、社会教育主事課程の学生グループに、「教育の課題」というテーマで各自がカードに書いたものを、グループで表札を作り、これを「コンセプトマップ」としてまとめさせたものです。
教育の課題

カード数の多いものは大きい円に、キー概念になると思われるものは色付けをしてあります。
 これを文章化することにより、「多様性の欠如」と「能率が悪い」という「皮肉な結果」を、指摘するコンセプトが作成されました。このことにより、効率よくメンバーの多様性を反映する社会教育的ワークの意義を明らかにすることができたと考えます。
 しかし、これらのワークを何回も積み重ねたところで、一貫性の求められる「論文」の完成には至らないと言えるでしょう。
 ここで、一貫性とはどのようなことをいうのでしょうか。次の図を見てください。

研究概念図

この図は、大学の全学的規模で行われた「連鎖的参画による子育てのまちづくり研究」において、私が作成した「研究概念図」です。
参照:西村美東士「「参画型子育てまちづくり」から見た社会開放型子育て支援研究の展望」 http://mito3.jp/seika/2820.pdf
(親や市民の)自己形成と「子育てのまち」という社会形成が、最初の「子育ての個人的・社会的課題は、ともに大きい」という問題提起に応える形で戻っていく、つながっていることがわかるでしょう。論文作成には、このような「一貫性」が求められます。
 コンセプトマップは、個々のトピックスについて、概念を文章化するためには効果的ですが、卒論等の一貫性が求められる論文作成においては、これだけでは、執筆構想には至りません。そこで、マインドマップの出番ということになります。
 次の図は、同じく社会教育主事課程の一人の学生が卒論を書くにあたり、私との問答法によってマインドマップで執筆構想を作成したものです。
PDFで見る
卒論構想例

タイトルが「子どもの集団活動」では、レポートのタイトルのようで、論文のタイトルとしては未成熟ですが、これは執筆を進めていく中で問題意識の明確なタイトルを完成させていくことにして、とりあえずは学生の発言のままに進めます。
次に先行研究については、関連すると思われる図書について、おもに私の書評を中心にそれをネットで見せながら、検討しました。
参照 西村美東士「若者論のトレンド:若者理解のための図書コーナー」
http://mito3.jp/syohyou/

 ここでは、土井隆義『つながりを煽られる子どもたち』など、他者とつながることが苦痛になる現実なども私から問題提起し、学生のより深い考察を促すことを意図しました。
目的を問答法で仮に設定した後、いよいよ仮説の設定です。仮説があってこそ、先に述べた論文の「一貫性」が実現できると私は考えています。そこでは、学生本人が潜在的にもっている、世界で初めての仮説を引き出すことが私の役割だと思っています。
 以前、ジャニオタの論文を書こうとする学生がいました。「グループ内でもとくに推しのアイドルを書いた名刺を作って、これを交換し、同じ推しの人とのグループ化を避ける」(同担拒否)という辻泉の研究を紹介したところ、彼女は「そんなことはない。同担でも仲良くつきあう」と言います。アイドルに対する恋愛感情のありようが変化してきているのでしょう。そこで、これを仮説として設定させました。このように、先行研究を踏まえたうえで、これにいわば「不満」を述べ、自分だけの仮説を設定して検証することが理想です。
 上のマインドマップの学生は、先行研究の課題を考察したうえで、自らの経験から、「継続的活動によって変容が見られる」という仮説を設定しました。そのほか、「指導者の介入により、より望ましい変化になる」などの自らの体験による実践的な仮説を、彼女の希望により、あわせて設定しました。
 このような経過をたどって、事例研究などの研究方法を見通して、「集団のプレッシャー」まで意識した論文作成に取り組むことができたと考えます。



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