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牧野篤著「社会教育の再設計」を考えるCONCEPT


社会教育の古くて新しい役割



若者文化研究所 西村美東士

 東京大学大学院教育学研究科牧野篤教授は、「社会教育を基盤とした人づくり、つながりづくり、地域づくりといった途端に、実は他の省庁がやっているよといわれてしまう」として、次のように述べている。「社会の現実から見れば、私たちが社会として生き延びていくために、実は、社会教育はなくてはならないものであって、何か目的を持ってしなければいけないもの、するべきものではなくて、当然のごとくなければいけないもの、目的ではなくて、社会基盤としてあるべきものなのではないかということなのです。
 その意味で最近、あちこちでお話ししているのは、それに対してもいろいろ意見は聞いていますが、社会教育に目的があるわけではなくて、社会教育がしっかりしていて、住民が自分たちで自分たちのことを取り回しをしていく、つまり自治を鍛えることでこそ、実は社会が目的を持てるようになるということなのではないか。そうした点をしっかりと押さえておかないと、気が付いたら社会教育は全部他のものに取って代わられていたということになるのではないか」。
社会教育の再設計第5回から〜生活の基盤としての社会教育・公民館−自治を再発明する 「社会教育の再設計第5回から〜生活の基盤としての社会教育・公民館−自治を再発明する」、日本青年館『社会教育』2020年7月号、p.54。

西村美東士上掲著書評

 私は、個人化と社会化の「断続的観察」が、スパイラルとしての理解により、「連続的観察」ができるようになるとして、新しい社会形成者の育成のあり方を主張している。
西村美東士「個人化の進展に対応した新しい社会形成者の育成―キャリア教育及び青年教育研究の視点から」『日本生涯教育学会年報』2012年11月。


生涯教育ではなく、「日本特有の社会教育」だからこその魅力




 同「社会教育の再設計第5回から」で、牧野は、「地域の『茶の間』としての公民館」として、「寺中構想」の目指す公民館を次のように評価している。「村の茶の間ですと書いてあります。親睦交友を深める施設ですとあります。(中略)親睦交友を深めるのだけれども、実はここに地域社会を世代間で、次世代に伝えていくということが描かれているのです。社会を次の世代に伝えるための施設だと」と評価している。
 私は、1946年の寺中作雄の公民館構想を引き、公民館の公共性や教育機関としての性格については、現代社会においては、寺中構想の「伝統」を基盤にした方がよいと論じたことがある。
1999/11/1 西村美東士「若者が集まる公民館にするために−癒しのサンマづくりは公民館の古くて新しい役割」全国公民館連合会『月刊公民館』510号、1999年11月、pp.4-9。


古き良き社会教育が、今後の新しい展望を切り開くのである。
これまでも、社会教育は、人々の暮しと仕事に結びついて展開されてきた。
ただ、残念なのは、(とくに社会教育行政は)「大胆な時代予測のもとに新しい価値を創造する」という面については、控えめだったことだ。
社会教育行政は、一般行政の先頭を切って市民とともにイノベーションに取り組んでいきたい。

つづく

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