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私のオンライン教材『番外編』

オンライン授業の素敵な受講法

ちょっとエリート向けの内容に感じるかもしれません。
でも、エリート的に行動しようとすると、エリートになれるだけの話です。
主体性の問題です。簡単な話なのです。
    若者文化研究所 西村美東士


漫画  わからなかったり、もう知っていることだったりして、退屈だった授業。じっと我慢して静かに耐えていた過去の悪夢・・・。オンライン授業のおかげで、退屈な授業から解放されるチャンスがやってきた。
 集合学習の場合は、スマホを見ていたりすると、教師の気分を害することがある。しかし、オンライン授業なら、ググっていても普通はばれない。退屈な授業でも、何かの瞬間に知的刺激を感じることがあるだろう。

 そもそも、ロンドン大学では、「学習は本来個人的事象であり、学習者自身が、自分のペースで、自らの興味や価値観、能力、レディネス(学習への準備状態)、背景となる体験、これまでの学習や訓練の機会といった要因に応じて達成していくもの」であること、すなわち「学習は個人的事象である」ことを基本テーゼとし、McLeish の著をひいて「講義方式に関して注目すべきことは、学生が教師の講義内容を自分の理解できる範囲で、習慣的にノートをとりながら聴く場合に、学生が講義終了後にその重要な情報の40%以上を記憶していることはまずなく、1週間後には更にその半分しか記憶に残らないということである」として、一斉承り型の講義法に疑義を呈し、大学教員に対して教授法のトレーニングをしている。ロンドン大学教育研究所大学教授法研究部『大学教育の原理と方法』。西村美東士「「個の深み」を支援する新しい社会教育の理念と技術(その1)」、『昭和音楽大学研究紀要』10号、pp.135-150、1991年3月。
漫画

 普段の授業なら、ググったりできないので、探索したいことがあってもそのまま流してしまうことになる。授業中、スマホをいじって、見つかって、教師の気分を害するのもちょっといやだ。退屈な授業を平気でする教師には腹も立つが、ここは少し大人になっておいた方が良かろう。しかし、我慢して授業を聴いているのは、人生の無駄遣いと言える。そこで、そういうとき、こっそりとスマホで知的探索活動に入れれば、意味ある濃密な時間を過ごせる。


 こういう探索活動での留意点は、あくまでも知的刺激に発した活動に限ることが必要だ。ついでにゲームやSNSなどで寄り道をしてはまってしまうと、受講中の尊い時間をいつもの意味の薄い時間に戻してしまう結果に陥る。また、オンライン授業で双方向のやりとりがある場合は、学習の主人公になれるチャンスだから、全面参加でチャレンジすることをお勧めする。
 なお、あとで「重要なことを聞き逃した」と思ったり、ざっと復習したくなったりしたときのために、画面録画しておくと良い。早送り、飛ばし視聴など、データベース的な利用ができる。ただし、録画ファイルを他人に貸したりすると著作権違反になるので注意が必要だ。
 ついでに退屈な集合授業の素敵な受け方を申し上げておきたい。99人が退屈して騒いでいても、一緒になって騒いでいては、濃密な時間は過ごせない。1人だけ授業を真剣に聴いている学生がいたら、その学生に「この授業のどこが面白いんだ?」と聞けば、「だって、この先生は○○なんだよ」と教えてくれるだろう。そうすれば、この授業は、次回から、あなたにとっても濃密な意味ある授業に変化するに違いない。
 なお、その1人から「学生なんだから退屈だけど黙って聴いているんだよ」という答えが返ってきたら、「なるほど」とか言ってスルーしてしまえば良い。なぜなら、学習者としての主体性が、その彼からは学びとれないからだ。
 偽のインテリは、知らないことを知っていると言い、知っていることを知らないと言うと聞いたことがある。真のインテリは、知らないことを知らないと言って人に聞き、知っていることを知っていると言って人に教える人なのだろう。「だって、この先生は○○なんだよ」と喜んで教えてくれる学生は、「学び合い支え合い」のできる真のインテリと言えるのだと思う。


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