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若者論のトレンドCONCEPT

書評

著者は、「ルールを守らせることに必死な大人」に警告を発する。土曜日に重い勉強道具でも自宅勉強のために全部持ち帰るよう指導し、子どもが共有部に隠すようになると教員が必死に探し出す。著者は「そのあまりのくだらなさにあきれてしまった」と言う。学校だけで通用させている「常識」が、社会的には「あまりにくだらないこと」である危険性には十分注意したいものだと評者も考える。




 著者は、2014年に千代田区立麹町中学校長に就任し、日本中で行われている教育を問い直し、学校改革を断行した。氏は、子どもの自律を重視し、宿題については「すでに分かっている生徒には無駄であり、分からない生徒には重荷である」として、定期テストについては「ある時点での学力を切り取って評価することに意味はない」として、固定担任制については「学級担任が生徒に対して責任を持ち過ぎてしまい、生徒の自律を妨げる」として、それぞれ廃止した。また、制服の改定や、私服を一部導入するなど数多くの改革に取り組んでいる。親が「いまもっとも子どもを入れたい」中学校と言われている。



書評





工藤 勇一 (著)
麹町中学校の型破り校長 非常識な教え
(SB新書)(2019/9/6)
言語: 日本語
発売日: 2019/9/6
¥913

 著者は、2014年に千代田区立麹町中学校長に就任し、日本中で行われている教育を問い直し、学校改革を断行した。氏は、子どもの自律を重視し、宿題については「すでに分かっている生徒には無駄であり、分からない生徒には重荷である」として、定期テストについては「ある時点での学力を切り取って評価することに意味はない」として、固定担任制については「学級担任が生徒に対して責任を持ち過ぎてしまい、生徒の自律を妨げる」として、それぞれ廃止した。また、制服の改定や、私服を一部導入するなど数多くの改革に取り組んでいる。親が「いまもっとも子どもを入れたい」中学校と言われている。
 大人が手をかけすぎることで、子どもの自律のチャンスが奪われ、「人のせいにする」子どもが育つとして、本書は、子どもがもともと持っている力を伸ばすために、親はどう接すればよいか、学び・しつけ・人間関係をテーマに、親が陥りがちな勘違いとジレンマをときほぐす。また、未来を生きるために必須の非認知能力や対人スキルも具体的にレクチャーする。
 宿題については、次のように言う。そもそもの目的は「子どもの学力を高める」ことだが、実際は作業になってしまい、やらされ感でいっぱいで、机に座らせることを目的にしてしまうと、言われたことしかやらない子どもになりかねない。学習習慣とは、「主体的に」勉強できる子どもになってもらうことであり、そのために大人がすべきは、長時間の「やらされ勉強」を強制することではなく、子どもの学習意欲を高め、かつ自分に合った学習スタイルを見つけてもらうことである。
 「わからないものをわかるようにする」学びのために、次のように言う。麹町中学校では期末テストを廃止し、3階層のテストを実施している。この単元テストは点数に納得できなかったら、自己申告で再チャレンジができる。再テスト制度こそが、子ども一人ひとりの学びのスタイルを身につけるための肝。一発勝負のテストだと、意識が「他人との点数の比較」に向いてしまうので、素直に喜べない子どもたちが多い。比較対象が自分になるとそれを喜べる。すると、子どもたちはわからないものをわかるようにしようと主体的に課題解決のサイクルを回し始める。
 しつけについては、次のように言う。叱る基準・しつけの優先順位を決めていけば、叱る頻度が減り、大人も子どもも不要なストレスを抱えなくてすむ。子どもとの付き合い方もかわる。さらに「本当にダメなこと」がはっきりと子どもに伝わるようになるので、子育てが楽になる。言わなくてもいいことはできるだけ言わない心がけが重要である。
 著者は、「ルールを守らせることに必死な大人」に警告を発する。土曜日に重い勉強道具でも自宅勉強のために全部持ち帰るよう指導し、子どもが共有部に隠すようになると教員が必死に探し出す。著者は「そのあまりのくだらなさにあきれてしまった」と言う。学校だけで通用させている「常識」が、社会的には「あまりにくだらないこと」である危険性には十分注意したいものだと評者も考える。

経歴
山形県鶴岡市生まれ[2]。東京理科大学理学部応用数学科卒業[2]。

1984年より山形県飽海郡松山町(現・酒田市)で数学の中学教諭を5年務めた後、東京都の教員採用試験を受け直し、1989年に台東区の中学校に赴任。その後、東京都や目黒区の教育委員会、新宿区教育委員会教育指導課長などを歴任[2][3]。

2014年に麹町中学校の校長に就任すると、子どもの自律を重視した教育改革に取り組み、宿題廃止、定期テスト廃止、固定担任制廃止など、従来「当たり前」とされてきたことを覆した[4]。宿題については「すでに分かっている生徒には無駄であり、分からない生徒には重荷である」として[5]、定期テストについては「ある時点での学力を切り取って評価することに意味はない」として[6]、固定担任制については「学級担任が生徒に対して責任を持ち過ぎてしまい、生徒の自律を妨げる」として[7]、それぞれ廃止した理由を述べている。また、制服の改定や、私服を一部導入するなど数多くの改革に取り組んでいる。

宿題の廃止、定期テストの廃止、担任制も廃止。
日本中で行われている教育を問い直し、学校改革を断行した千代田区立麹町中学校長
「いま子どもを入れたい中学校ナンバーワン」最注目の教育者が明かした前代未聞の『非常識な』子育て論


【6刷、30000部突破のベストセラー】
「カンブリア宮殿」 著者出演(2019年9月26日放送)
発売たちまち 話題沸騰!
教育関係者、親から絶賛の声、続々!


【メディアで話題】
★日経新聞夕刊 書評(評者:竹内薫氏)
「自律促す 科学的な教育」
「このような教育が広まれば、日本はAI時代を生き残ることができるだろう」
★東洋経済 オンライン/プレジデント オンライン 他で続々 紹介


宿題廃止、定期テスト廃止、固定担任制も廃止。
公立なのに、学校の「当たり前」をやめて
全国から注目の麹町中学校。
「いまもっとも子どもを入れたい」学校の校長が教える
子育てで「本当にたいせつなこと」とは。


【内容紹介】
東京のど真ん中に「学校の常識」をひっくり返している公立中学校・校長がいます。
全国で当たり前に行われていることを問い直し、子どもたちにとって本当に必要な教育を追求する。
それが千代田区立麹町中学校の工藤勇一校長です。
大人が手をかけすぎることで、子どもの自律のチャンスが奪われ、「人のせいにする」子どもが育つ。
では、子どもがもともと持っている力を伸ばすために、親はどう接すればよいか。
学び・しつけ・人間関係をテーマに、親が陥りがちな勘違いとジレンマを
ていねいにときほぐします。
そして、21世紀を生きるために必須の非認知能力や対人スキルも具体的にレクチャー。

子育ての迷いが晴れる、< 0歳から高校生の子を持つすべての親>にオススメの1冊です。


【目次】
第1章勉強の「正解」を疑う

宿題はいらない
机に座れば、それでOK?
定期テスト「一夜漬け」では意味がない
非認知スキルを身につけよ
学びとはカリキュラムをこなすことではない
勉強は要領をつかむまでが勝負である
手帳の使い方で勉強のスタイルを探す
生産性の高い学習計画の立て方

第2章「心の教育」を疑う

「服装の乱れは心の乱れ」は本当か?
「ルールを守らせる」に必死な大人
なんでも言うことを聞く子は危険
「あの子と距離を置きなさい」はダメ
「忍耐」を盲信しない
ゲームに没頭する子へのしつけ方
約束を守らない子にはアプローチを変える
私が不登校の子の親にかける一言

第3章 「協調性・みんな仲良く」を疑う

「みんなと仲良くしなさい」を否定した全校集会
「周りを宇宙人だと思いなさい」
意見の対立からすべては始まる
1割の反対派を大切にした体育祭
異なる意見にひるまない方法――KJ法の活用
合意形成のできる子に育てるコツ
どんな子でも絶対にリーダーになれる
生徒全員が泣いた、卒業式のプレゼン

第4章「子どものために」を疑う

子ども同士のいざこざを仲裁していませんか?
子どもの片づけに口を出すとどうなるか
熱中できるものを見つけてもらうために
「趣味」を「価値」に変える大人のさりげない一言
「挑戦しよう!」では子どもは動かない――「ヤングアメリカンズ」
「1位」や「百点」をほめてはいけない
「あの担任のせいだから」――人のせいにする思考を取り除く
最後の最後は「家族全体の幸せ」

内容(「BOOK」データベースより)
東京のど真ん中に「常識」をひっくり返している中学校校長がいます。宿題の廃止、定期テストの廃止、担任制も廃止。日本中で行われている教育を問い直し、学校改革を断行したのが千代田区立麹町中学校の工藤勇一校長。非常識な改革はTV・新聞などメディアで話題沸騰。文部科学省など全国からの視察も後を絶ちません。そんな「いま子どもを入れたい中学校ナンバーワン!」最注目の教育者が明かした前代未聞の「非常識な」子育てとは?
著者について
工藤勇一 区立麹町中学校校長
1960年山形県鶴岡市生まれ。東京理科大学理学部応用数学科卒。山形県公立中学校教員、東京都公立中学校教員、東京都教育委員会、目黒区教育委員会、新宿区教育委員会教育指導課長等を経て、2014年から千代田区立麹町中学校長。教育再生実行会議委員、経済産業省「未来の教室」とEd Tech研究会委員等、公職を歴任。初の著作『学校の「当たり前」をやめた。―生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革』(時事通信社)はベストセラーに。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
工藤/勇一
千代田区立麹町中学校校長。1960年山形県鶴岡市生まれ。東京理科大学理学部応用数学科卒。山形県公立中学校教員、東京都公立中学校教員、東京都教育委員会、目黒区教育委員会、新宿区教育委員会教育指導課長等を経て、2014年から千代田区立麹町中学校長。教育再生実行会議委員、経済産業省「未来の教室」とEd Tech研究会委員等、公職を歴任。麹町中学校では「世の中ってまんざらでもない!結構大人って素敵だ!」と生徒たちが思える教育を目指し、教育改革に取り組む。宿題廃止・定期テスト廃止・固定担任制廃止を次々に打ち出した改革は、文部科学省が視察に訪れ、新聞各社・NHK・民放各局などがこぞって取り上げるなど、教育関係者・メディアの間で話題となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

<非常識な教え1>宿題廃止!めざすは「主体的」に勉強できる子!
宿題はそもそも「子どもの学力を高める」こと。しかし、実際は作業になってしまい、やらされ感でいっぱいです。机に座らせることを目的にしてしまうと、言われたことしかやらない子どもになりかねません。学習習慣とは、「主体的に」勉強できる子どもになってもらうこと。そのために大人がすべきは、長時間の「やらされ勉強」を強制することではなく、子どもの学習意欲を高め、かつ自分に合った学習スタイルを見つけてもらうのです。

<非常識な教え2>学びとは「わからないものをわかるようにする」
麹町中学校では期末テストを廃止し、3階層のテストを実施しています。この単元テストは点数に納得できなかったら、自己申告で再チャレンジができます。再テスト制度こそが、子ども一人ひとりの学びのスタイルを身につけるための肝。一発勝負のテストだと、意識が「他人との点数の比較」に向いてしまうので、素直に喜べない子どもたちが多い。比較対象が自分になるとそれを喜べます。すると、子どもたちはわからないものをわかるようにしようと主体的に課題解決のサイクルを回し始めるのです。

<非常識な教え3>優先順位を決めればしつけがラクになる
叱る基準・しつけの優先順位を決めていけば、叱る頻度が減り、大人も子どもも不要なストレスを抱えなくてすみます。子どもとの付き合い方もかわるでしょう。さらに「本当にダメなこと」がはっきりと子どもに伝わるようになるので、子育てが楽になります。言わなくてもいいことはできるだけ言わない心がけが重要かもしれません。










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