No 発行年月日 著書学術論文等の名称 自著PDF番号 自著TXT番号 要旨 種別 記号 単著共著 発行所 誌紙名 巻号 版型 共著者名 担当論文名 ページ ページ数
279 2009/4/27 佐野市の市民参画による生涯学習推進 2790.pdf 2790.txt 2007年12月、佐野市は、生涯学習推進協議会の起草をもとに、生涯学習都市宣言を行った。宣言文は、学習によって深まった個によるまちづくり参画の意義を訴えている。同協議会は、その参画の範疇について、「挨拶から始まる社会形成」という視点から、幅広く、すべての市民が現に行っていることとしてとらえている。これを、「個人主導」としての生涯学習活動と、「社会参画」としてのまちづくり活動との連結ととらえることができる。 その他(事典) C2 単著 日本生涯教育学会 生涯学習研究e事典 pp.1-3 3p
280 2009/10/10 保育士教育における参画型教育の意義−子育て商品ニーズの把握から商品企画までを通して 2800.pdf 2800.txt 各回の課題に関する気づきを学生に短文で記述させ、これを@記述の視点(需要側か、供給側か)、A記述の内容(能動的肯定、肯定、否定、能動的否定)で分類した。@で母親の実態やニーズに関する記述を「需要視点」とし、商品提供や社会からの支援に関する記述を「供給視点」としたが、その量的変化は、各回の記述課題の設定によって影響を受ける。そのため、Aについては判断基準を設けて質的評価を行った。質問紙調査では、そのような差は発見できないと考える。 その他(発表) C4 単著 日本産業教育学会大会
281 2009/11/8 子育て支援学の学的体系の構築―聖徳大学「連鎖的参画による子育てのまちづくり」研究成果から 2810.pdf 2810.txt 子育て支援学の学的体系の構築により、第一に、子育てを実践するすべての関係者に有益な情報をもたらす実学としての学問構築が期待できる。第二に、大学教育等における子育て支援者の養成における体系的カリキュラムの構築が期待できる。第三に、学的体系が確立してくると、当然、研究関心が広域化、細分化、専門分化してくる。このことは従来型研究スキームを超えた形態を求める。それは親、未来の親としての学生、子育て支援者の研究参画が、当然の帰結として現れることを意味する。 その他(発表) C4 単著 日本子育て学会大会
282 2009/12/20 「参画型子育てまちづくり」から見た社会開放型子育て支援研究の展望 2820.pdf 2820.txt 子育て支援研究を学として確立するためには、今後、原理及び関係する学問群・関係学会、歴史、分野・領域・研究対象・テーマ、研究方法・手法群などの各領域における研究を体系的に進めていく必要がある。本研究では、「社会開放型子育て観」のキー概念のもとに、各学問分野から関連テーマを追究することによって、その体系の一部を見ることができた。これまでの子育て支援学関連領域の研究においては、「まち・産業の社会形成」と「子育て及び子育て学習による自己形成」のいずれかのアプローチから結果を見ようとしてきたため、一面しか見ることができなかったと考える。「社会開放型子育て観」による「子育てまちづくり」の視点を適用すれば、自己と社会の2面における各要素の働きを一体的、動態的に理解することができる。 著書 C2 単著 私立大学学術研究高度化推進事業社会連携研究推進事業(研究代表者 松島鈞) 『連鎖的参画による子育てのまちづくりに関する開発的研究 平成17〜21年度研究集録』 A4版 pp.1-14 14p
283 2009/12/20 クドバス活用による親能力確実習得プログラム研究 2830.txt クドバスを活用して学習内容を編成し、その成果の妥当性を検討した。さらに、その成果をもとに評価票を作成し、学習プログラムの実践において、その実際の効果を実証的に検討した。その成果を検討した結果、次のように結論づけた。本研究では、子育て能力を分解して、知識、技能、態度の3側面から表記し、これを構造化して、そのまま学習プログラムに反映させたのであるから、仮説で設定したように学習目標が明確化するのは当然の結果であったといえる。実際にも、学習スケジュール作成の段階にあっては、比較的容易に、テーマごとの学習目標を設定することができた。また、そこで設定された学習目標は、各回の担当者及び講師にも明確に認識されるし、他の回とは重複しないため、支援が責任をもって目的的に行われるという実践面での大きなメリットが期待できる。本研究で得られたこのような知見は、本論の冒頭で述べたような「子育て学習の内容編成作業の組織化」や「学習機会提供事業の到達目標の設定」の意義とあり方を示すものとしても有効であると考えた。(再掲) 著書 C2 単著 私立大学学術研究高度化推進事業社会連携研究推進事業(研究代表者 松島鈞) 『連鎖的参画による子育てのまちづくりに関する開発的研究 平成17〜21年度研究集録』 A4版 pp.87-96 10p
284 2009/12/20 効果的子育て学習の方法とその支援−学習過程における母親の気づきと社会化 2840.txt 研究対象とした講座は、2000年度徳島大学大学開放実践センター公開講座「子育ての中の交流・コミュニケーション」である。小学校・中学校在学の子どもをもつ母親に対して、春期と冬期に週1回、1.5〜2時間、6週にわたって実施した。本研究をとおして、安心感と緊張感、他者への気づきと自己への気づき、学習集団内の共通性と一人一人の個別性、個人の悩みの共同解決と自己解決等の往復が見られた。これらのペアを二項対立的にとらえるならば、どの気づきにはどの支援が効果的かという発想がなされよう。しかし、実際には、本研究では、現実の気づき過程は上下を往復しながら深まることが明らかになった。これに伴って、効果的な支援方策のためには、個人や集団の気づき過程を把握して、必要に応じて左右の二項を往復させ、気づき過程と交差させることが適切と考える。 著書 C2 単著 私立大学学術研究高度化推進事業社会連携研究推進事業(研究代表者 松島鈞) 『連鎖的参画による子育てのまちづくりに関する開発的研究 平成17〜21年度研究集録』 A4版 pp.97-118 22p
285 2009/12/20 女子学生の社会開放型の子育て観を育む技法−出産・子育ての自己決定能力のための学習を通して 2850.txt クドバスの「他者との関係や職場における自己のもつべき能力の客観的な位置づけ」、「自己内対話の促進」、「課題・目標の自己設定、共同設定」という機能の面からいえば、「子を産む性をもつ者」としての女子学生の望ましい社会化を支援するためにも、効果的な技法であることは明らかといえよう。しかし、出産のもつ個人的側面はともかく、社会的側面については、今や多くの女子青年にとって魅力のないもの、「他人事」になってしまっていると考えられる。そういう状況の中、「子育てまちづくり」への参画は、出産、子育てが、社会に対しても自負できる行為として輝きを取り戻すための一つの有力な要素と考える。クドバスの活用についても、それを学生たちの実際の社会参画と結びつけることによって、大きな効果を上げることが期待できる。以上から、女子学生が、クドバスなどによる協働参画型学習をとおして実際の「子育てまちづくり」に参画し、ひいては、「社会開放型子育て観」を形成して、出産、子育てに夢をもてる「未来の母親」として成長することの意義は大きいといえる。 著書 C2 単著 私立大学学術研究高度化推進事業社会連携研究推進事業(研究代表者 松島鈞) 『連鎖的参画による子育てのまちづくりに関する開発的研究 平成17〜21年度研究集録』 A4版 pp.119-132 14p
286 2009/12/20 女子教育における社会化支援とその評価に関する研究−社会開放型への転換の効果 2860.txt 学生生活や家庭での気づきの機会やチャンスが減衰する現代において、他者に気づき、他者との合意形成の収束の先を自分の中で見出すことができるようになることは、非常に重要といえる。「講義型授業」においては、筋道・体系を明示されるため、「結論が明瞭に見える」という効果があると考えられる。しかし、人が実際に他者や社会の中で生きるためには、結論が見えない問題について、自己の問題を推論し、他者と折り合いをつける必要がある。WS、とりわけクドバス型授業によって、学生の社会化を促進し、子どもに対する共感的理解力を高めることができたと考える。しかし、未来の母親に対する社会化支援という視点からは、クドバスによって得られた社会化効果については、質的には低次のものであったと考えられる。なぜなら、情念の交流ではなく、考え方、合意事項という一定の壁の中でのワークであったからである。これに対して、「幸せの瞬間」の表札付けなどは、そのワークショップの目指すものが情念も含む高次の活動であったために、学生に忌避されたものと考える。入門、導入、あるいは社会的即戦力としてのクドバスの社会化効果は認められるが、子育てや職業に必要な社会化に向けた活動としては、さらに工夫が必要と考える。共存はできても共有はできないという壁を越えさせ、他者の情念を理解し、自己の情念を伝え、共有すべき価値観を創造できる人材を育てる必要がある。 著書 C2 単著 私立大学学術研究高度化推進事業社会連携研究推進事業(研究代表者 松島鈞) 『連鎖的参画による子育てのまちづくりに関する開発的研究 平成17〜21年度研究集録』 A4版 pp.133-144 12p
287 2009/12/20 社会開放型子育て観への転換プログラムの提案−豊島区家庭教育推進員の子育てまちづくり研究活動を通して 2870.txt 豊島区家庭教育推進員制度は、各区立小学校から委嘱された総数40人程度の保護者によって、家庭教育に関する学習活動を行う豊島区独自の制度である。「行政が」ではなく「親たちが」行う「子育てまちづくり」活動においては、次の理由から仮説検証型の実践研究を行う効果は高いと考える。第一に、自らの子育てや地域に対する「思い」を仮説として言語化し、検証活動において、その自らの「思い」が他者や社会と適合しているかを確かめることになる。これは、言い換えれば、「自分のための活動」のプラスの側面ということができる。第二に、自らの仮説をただそのまま地域にアピールするというのではなく、その妥当性を確かめ、確かめた結果を添えてアピールするということになる。なかには、最初の仮説が現実社会とは一致しない場合もありうる。その場合を含めて、親の「子育てまちづくり」参画の望ましいあり方を示すものになると考える。推進員の母親たちは、PTAから選出され、先述のように責任感をもって豊島区家庭教育推進員制度に参加した。この母親たちが、さらに、校区を越えた子育て仲間と出会い、自らの思いに気づき、言語化し、その妥当性を地域で検証することによって、現実社会と適合したアピールに仕上げて「子育てまちづくり」に参画することの効果は大きいと考える。 著書 C2 単著 私立大学学術研究高度化推進事業社会連携研究推進事業(研究代表者 松島鈞) 『連鎖的参画による子育てのまちづくりに関する開発的研究 平成17〜21年度研究集録』 A4版 pp.163-182 20p
288 2009/12/20 松戸の親子・子育て産業振興に関する研究 2880.txt 松戸市内の事業者の参加を得てクドバス・ワークショップ「わが事業所ができること」を実施し、その成果から、事業所の参画を実現するための要素を抽出した。その結果、大学が中心になる事業は「子育ての専門的知識の提供」、事業者が中心になる事業は、「親子ものづくり教室」、「リトルシェフ事業」、「仕事体験教室」、「安全・防災事業」、「いのち・人・家族そして日本文化を伝える事業」、協働が求められる事業は、「あのころの心のふるさと・語り部活動」、「子育てネットワーク事業」、「心の居場所・異年齢の集まり提供」、「サイエンス・子育て産業の育成」であると考えた。また、事業者の提出した能力カードについては、「わが事業所」や自分自身がもつ、子どもたちへの教育機能を提供しようとする意志が強く表れていた。これは、事業者と親・市民との「協働」(それぞれの立場を生かした協力)の意義とともに、「共同」(同じ立場からの協力)の可能性を示すものととらえられる。(再掲) 著書 C2 単著 私立大学学術研究高度化推進事業社会連携研究推進事業(研究代表者 松島鈞) 『連鎖的参画による子育てのまちづくりに関する開発的研究 平成17〜21年度研究集録』 A4版 pp.185-188 4p
289 2009/12/20 子育てまちづくり政策検討の実質化の試み−佐野市における政策立案過程を通じて 2890.txt 推進政策に関わる文章化の作業過程において市民参画を実現しようとする場合、次の問題が生ずると考える。@市民の意見のなかには、文章全体のイメージについてのものがあり、その意見が重要であっても、現実の文章化においては反映するのが困難な場合がある。A市民のそれぞれの意見をそのまま機械的に取り入れると、文章全体の整合性に欠ける場合がある。B市民間で意見の対立があった場合、最終的には、多数決や両論併記という方法によって対処するしかない場合がある。これに対して、「佐野市生涯学習都市宣言」起草文原案の作成過程においては、次の方法によって、市民参画を一定程度実質化することができたものと考える。@ワークショップによって生涯学習推進イメージが共有でき、委員の協働作業としての文章化の成果を得ることができた。Aその成果と原案修正結果をフォローアップするための会議を開き、ワークショップに欠席した委員も含めて「原案修正」に関わる合意形成を図ることができた。B原案作成者は、フォローアップで形成された合意のほか、前年度からの協議会での検討結果も踏まえ、委員一人一人の「背後の想い」まで推察しながら、それを宣言文に反映させることができた。また、「放課後子どもプラン」ワークショップ成果の検討からは、市民としての立場や思考の自由性、多様性にもかかわらず、達成目標や構造的理解の共有が可能になることが明らかになった。 著書 C2 単著 私立大学学術研究高度化推進事業社会連携研究推進事業(研究代表者 松島鈞) 『連鎖的参画による子育てのまちづくりに関する開発的研究 平成17〜21年度研究集録』 A4版 pp.323-344 22p
290 2009/12/20 クドバスワークショップによる子育て支援社会連携研究センター機能の検討 2900.txt センター機能に関する「クドバスチャート」を作成し、その成果を分析して、求められるセンター機能の全体像を検討した。その結果、第1に、「ネットワーク系」の機能の得点が最大であり、機能カードの内容から、機関間連携でもあり、人的ネットワークでもあることがわかった。また、「商品開発」の得点は低いが、ネットワーク構築のなかで実現すべき機能であると考えた。第2に、場や情報の提供など、親を直接対象とする「サービス系」の機能の得点が高い。しかし、機能カードを見ると、その一つ一つは開発的であり、親の自己形成とともに、社会的課題を意識し、よりよい社会形成を目指したものが多いことがわかる。これらは、次の「研究系」と連動するものといえる。第3に、「研究系」は、クドバスチャートでは重要度が1位(最上段に配置)とされたにもかかわらず、「系列」としては「実践研究」のみで、「仕事」も一つだけであり、得点比率は22%にすぎない。しかし、上に述べたとおり、第1の「ネットワーク系」、第2の「サービス系」の機能のほとんどは、第3の「研究系」につながっていくと考える。このことから、支援センターの「研究」は「純粋研究」ではなく、「実践」と連動して「センター オブ センター」としての役割を発揮するために行われる性格のものであると結論付けた。(再掲) 著書 C2 単著 私立大学学術研究高度化推進事業社会連携研究推進事業(研究代表者 松島鈞) 『連鎖的参画による子育てのまちづくりに関する開発的研究 平成17〜21年度研究集録』 A4版 pp.347-352 6p
291 2009/12/20 クドバス活用による子育て支援社会連携研究センター事業評価に関する研究 2910.txt 支援センターの機能に関する「クドバスチャート」成果を利用して、「センター評価票試案」を作成し、期待できる効果を検討した。本試案は次の効果が期待できる。@「必要度/達成度」から、事業計画における優先度を導き出すことができる。また、優先度の最低点0.2(1/5)から最高点5.0(5/1)までを5つに区切り、各機能を1から5までに分類することができる。A各機能について、1と2を灰色系、3を青系、4と5を赤系の色で棒グラフのように塗りつぶせば、可視的に「温度差」を表すことができる。B本票の右半分をセンター職員の職能により、1:できない、2:指導者がいればできる、3:一人でできる、4:工夫や改善ができる、5職員に教えることができる、の5分類で分析すれば、適正な人員配置計画や効果的な研修計画が可能になる。「利用者評価票試案」からは、次の効果が期待できる。@親の気づき過程に対する支援効果を分析的に明らかにすることができる。A支援センターの他の事業や、他団体の事業のもつ効果との比較研究の対象にすることができる。B子育て支援社会連携研究の趣旨について、回答する親の理解を得る機会になりうる。(再掲) 著書 C2 単著 私立大学学術研究高度化推進事業社会連携研究推進事業(研究代表者 松島鈞) 『連鎖的参画による子育てのまちづくりに関する開発的研究 平成17〜21年度研究集録』 A4版 pp.353-358 6p
292 2009/12/20 子育て支援インターネット・マルチメディア活用に関する研究 2920.txt インターネット、マルチメディア関連については、子育て支援社会連携研究の構想原案作成段階においては、次の諸点のとおり整備したいと考えた。@地域子育て情報については、書籍や資料のほか、マルチメディアも利用できるようにする。A数台のノートパソコンを用意し、市民や学生が個人研究もできるようにする。Bインターネットによるテレビ会議システムを活用した能動的な学習ができるようにする。Cマルチスクリーンは4面分割投影もできるようにする。D無線LANにより、ノートパソコンを持ち込めばインターネットにつながるようにしておく。その結果、@大型液晶ディスプレー2台の設置により、自由自在なプレゼンテーションのほか、4人(×2組)のパソコン画面の同時表示による共同研究やワークが可能になった。AWEBポータル構築ツール「XOOPS」の活用により、情報発信や利用者同士の情報共有が容易になり、さらには「子育てコミュニティ」の活動支援も可能になった。また、そこでは、投稿メッセージだけではなく、ニュース、画像、動画、スケジュールなどのすべての情報が投稿可能になった。Bグループウェアソフト「BOXER.V」の活用により、スケジュールやアドレス等の個人情報やグループ内での共有情報などを効率よく管理することができるよう条件整備を行うことができた。(再掲) 著書 C2 単著 私立大学学術研究高度化推進事業社会連携研究推進事業(研究代表者 松島鈞) 『連鎖的参画による子育てのまちづくりに関する開発的研究 平成17〜21年度研究集録』 A4版 pp.391-394 4p
293 2009/12/20 子育て支援文献データベース化の条件−多様な情報ニーズに対応する紐付け提案型システムをめざして 2930.txt 要旨文脈分析方式による文献分析が妥当であるとする一連の仮説は、一定の検証を得たと考える。しかし、検索者の非恣意性等の自由語検索の弱点を考慮すれば、子育て支援文献のデータベース化にあたっては、基本的には要旨文脈方式を採用するとともに、自由語検索の弱点を補うために、シソーラスを構築し、その活用方式を併用できるようにすることが望ましい。また、子育て情報ニーズには次の特徴があると考えられるため、検索結果の提示だけでは不十分といえる。@個人・社会等の多領域に関連するため、検索者が適切な「検索語」を設定するための基礎知識を十分にもっていることは前提にできない。A子育てスキルなど、言語化できない部分が多いため、検索結果を提示するだけでは、重要な関連情報を見逃すおそれが強い。B現在の人々の生活や社会の動向に強く影響を受けて変化するため、これに柔軟に対応した情報提供が必要になる。以上の理由から、子育て支援文献のデータベース化においては、「同義語検索」や「シソーラス検索」とは異なり、多様な情報ニーズの動向に対応して、データベースの側から「検索結果」とは異なる関連情報を「紐付け」して提案するシステムが必要と考える。 著書 C2 単著 私立大学学術研究高度化推進事業社会連携研究推進事業(研究代表者 松島鈞) 『連鎖的参画による子育てのまちづくりに関する開発的研究 平成17〜21年度研究集録』 A4版 pp.395-410 16p
294 2009/12/20 子育ての暗黙知に関する研究−映像解析による保育者の子育て支援行動の分析 2940.txt 熟練した保育者は「場の概念」→「到達目標概念」→「手段と時間の概念」→「空間上の運動概念」という流れで活動が行われる。しかし、具体的な行動に至るまでのプロセスには省略された部分があると考えた。第一に、子どもをとらえると同時に行動に移す場面が想定された。第二に、計画化に際しては、過去のストラテジィを参照しつつ、より充実した計画化を図るのではないかとした。このようにして子育ての暗黙知を考えれば、より有益なノウハウや事実認識などの情報が逐次入手できると考える。 共著 C2 共著 私立大学学術研究高度化推進事業社会連携研究推進事業(研究代表者 松島鈞) 『連鎖的参画による子育てのまちづくりに関する開発的研究 平成17〜21年度研究集録』 A4版 森和夫、加藤敏子、西智子、津留明子、位田かづ代、西村美東士 pp.411-422 12p
295 2010/3/31 ユーザーニーズの把握に基づく子育て商品開発の授業実践−シミュレーション型授業の実践を中心として 2950.pdf 2950.txt 需要予測と供給可能性に関する認識については、当初の学生の単純な楽観的見通しからの脱皮と、需要の問題点のチャンスとしてのとらえ直しという側面で、一定の深まりを見せた。このことから、子育て商品の企画を通した参画授業のなかには、自己の受給の認識が、現実の子育て商品市場にそぐわないことに気づき、修正する過程があったと見ることができる。しかし、今回は、「教育」のためのシミュレーションとしての参画にとどまらざるをえなかった。今後は「参画のための教育」を追究したい。 著書 C2 単著 聖徳大学生涯学習研究所紀要 『生涯学習研究』 8号 A4版 pp.29-33 5p
296 2010/10/17 社会開放型子育て観研究の展望―親の個人化と社会化に関する一体的アプローチをめざして 2960.pdf 2960.txt 本研究では、次のとおり「操作的定義」を定めた 。@個人完結型=母親(もしくは父母)が自己の子育てに関する問題を(自らの範囲内で)解決するスタイル。A社会開放型=地域社会の支援・協働のもとに母親(もしくは父母)が自己及び他者の子育てに関する問題を解決するスタイル。社会開放型子育て観の観点からの質的評価を組み込んだ数量化と、気づきの過程やレベルアップに関する動態的理解により、どのようなプロセスをたどらせることによって、両者を統合した子育て観を育てることができるか検討した。 その他(発表) C4 単著 日本子育て学会大会
297 2010/11/27 生涯学習の人的交流がもつ癒し効果の可能性に関する検討 2970.pdf 2970.txt これまで、一般に、個性の伸長や社会性の涵養など、「進展=促進」が自明の前提として論じられてきた。しかし、人々の「癒し」へのニーズの高まり、「居場所」の再認識などの動向からは、「進展=促進」ではなく、「進展+回帰=促進」ととらえる方が妥当な見解のように思える。同様の方向性をもつ知見としては、道教の唱える「無為自然」、マズローが晩年に提唱した「自己超越」などが挙げられるが、学習がもつ癒し効果による個人の「原点回帰」を、より普遍的なプロセスの一環としてとらえる必要がある。 その他(発表) C4 単著 日本生涯教育学会研究大会
298 2011/3/31 生涯教育における「癒し」研究の展望 2980.pdf 2980.txt 本研究の前半では、個人化を社会化と一対のものとしてとらえるとともに、「癒しによる原点回帰機能」を両者の結節点として位置付けることによって、個人の社会化過程を全体的に俯瞰するプロセスモデルを設定した。後半では、学生の癒しニーズの分析から、「原点志向」と「閉鎖志向」の2つの癒し因子を見出した。このことから、「癒し志向」の特性について、「自己の原点への回帰」と「社会との窓の開閉」の2軸で分けられる4類型が示唆された。 著書 C2 単著 聖徳大学生涯学習研究所紀要 『生涯学習研究』 9号 A4版 pp.29-35 7p
299 2011/10/22 親の社会化・個人化・原点回帰の一体的プロセスモデルの設定 2990.pdf 2990.txt 子育てや関連する活動のもつ癒し効果による個人の「原点回帰」を、「自己超越」のようなレアケースとしてではなく、「普遍的成長プロセス」の一環としてとらえる必要がある。そして、親個人に「与える」だけの子育て支援では、主体的な子育ては育たない。しかし、親としての自覚や社会性をむやみに求めても、その支援は成功しない。一人一人の親が社会の形成者の一員として成長するとともに、個人としての自己の原点を守り、充実するという側面を一体的に認識する必要がある。 その他(発表) C4 単著 日本子育て学会大会
300 2012/2/27 生涯教育文化学科におけるキャリア教育体系化の試み―学科教員による専門教育の実践とその成果から 3000.pdf 3000.txt 専門科目「総合特別講座W−情報と職業」(4年次)を取り上げ、その分析をとおして、「自分がその職業をめざす理由について、『好きだから』ではなく、『このようなことを、このようにしたいから』という展望をまとめることができる」という教育目標についての効果を確かめた。現在の学生の立場からではなく、未来の職業人の立場から現実的、主体的に職業に向かう態度を身につけさせるための課題提示によって、感覚的次元ではなく、実際に働くことの具体像を深めて、PDCサイクルを可能にし、企業人事側のいう高業績遂行能力としての「キー・コンピテンシー」における現実的、主体的な問題意識、論理的思考、関係調整力などを育てる効果があった。 著書 C2 共著 聖徳大学FD紀要 『聖徳の教え育む技法』 6号 B5版 西村美東士、長江曜子、清水英男、斉藤豊、齊藤ゆか、林史典 pp.103-114 12p
301 2012/3/31 社会化・個人化の視点から見たキャリア教育の課題―生涯教育文化学科におけるキャリア教育体系化モデル設定の試み 3010.pdf 3010.txt 文献研究により、次の課題を導き出した。@具体的な仕事内容の理解促進、A必要な職業知識の明確化、B具体的必要能力の明確化、C学生個人の「職業への構え」の育成、D職業上必要な交信力と論理力の育成、E社会対応型能力活用力の育成。フォーマルな学校教育の視点からは、これらの多くは困難、または限定的な課題であるが、職業能力の明確化によって学習目標の設定を提示することができる。また、これまでフォーマルな学校教育が苦手としていた分野について、グループワーク等の内容や方法の導入のあり方を提示することができる。以上の検討から、本学科のキャリア教育においては、年次毎に達成目標を設定し、これを高等教育としてのモデルと連動した「学科キャリア教育」としての体系化を図ることが必要であると結論付けた。 著書 C2 単著 聖徳大学生涯学習研究所紀要 『生涯学習研究』 10号 A4版 pp.23-29 7p
302 2012/8/10 学科キャリア教育におけるICT利用の効果−自己内対話と相互関与を相乗的に深める方法 3020.pdf 3020.txt 他学生の記述をリアルタイムに一覧形式で見ることができることは、とくに大人数授業場合は交流ツールとして有効であることは明らかといえよう。他方、その交流が、自己内対話の遮断として機能する場合も考えられる。今回の結果からも、相乗効果以前に、自己内対話志向か、協同志向かという要因の影響の大きさが示された。しかし、学生の職業生涯の充実のためには、その両者の統合的発展が重要であることは明らかである。このことから、キャリア教育に多用されるワークショップの場面において、学生の協働(課題設定等)→沈思黙考(カード書き込み)→口頭コミュニケーションによる協働(カテゴライズ作業等)→協働・沈思黙考(振り返り)というプロセスに関して、自己内対話と協同の相乗的促進のための、評価付与、揺さぶり、新たな課題提示などの教師の指導行為の効果を検討する必要が示唆された。 その他(発表) C4 共著 私立大学情報教育協会 『ICT利用による教育改善研究発表会資料集』 A4版 西村美東士、林史典、清水英男、長江曜子、斉藤豊、齊藤ゆか pp.90-91 2p
303 2012/11/10 個人化の進展に対応した新しい社会形成者の育成―キャリア教育及び青年教育研究の視点から 3030.pdf 3030.txt 「個人化の進展に対応した新しい社会形成者の育成」というテーマは、一見、自己矛盾した課題のように捉えられよう。しかし、個人内のスパイラル過程の理解が、その解決策となると考える。「即自」とは、自分自身で感じたまま対処する状態である。個人は、ここから出発し、「対自」において、自分自身を見つめて、問題をどう解決するかを考えるようになり、やがて、「対他」において、他者との関わりを考えるようになり、対社会に発展する。そのことが、社会における自己の適正な位置づけにつながり、社会形成者として必要な能力を獲得することになる。このスパイラル自体は連続的なプロセスであるが、個人化支援の視点のみから見た場合は、ついたての裏は見えず、個人化プロセスに戻ってきたときだけ、その成長を「自己の充実」(人格の完成)の側面から見ることができる。社会化支援の視点のみから見た場合は、逆に、個人の自己への関心と自己受容のレベルアップの様子を見ることはできず、共存から共有への社会形成者としてのレベルアップの側面から見ることができる。これらのいわば「断続的観察」が、スパイラルとしての理解により、「連続的観察」ができるようになると考えたい。 著書 C2 単著 日本生涯教育学会年報 33号 A5版 pp.145-154 10p
304 2013/2/27 ICTを活用した学科キャリア教育の方法と効果 3040.pdf 3040.txt 本学科では、専門領域である生涯教育学やまちづくりの視点から、生涯にわたって職業・家庭・地域生活を通して、社会形成に貢献できるよう学生を指導している。そこで、良き妻、良き母親として、さらには地域の責任ある担い手としての能力を習得することと連動してキャリア教育を行うことが必要と考えた。本研究では、この拡張したキャリア教育にICTを活用しようとした。ICTにおける電子掲示板システム、ペーパーレス・カード式発想法システム等を、通常のリアル授業に付加して活用することで効果が期待できる。他学生の記述をリアルタイムに一覧形式で見ることができることは、とくに大人数授業場合は交流ツールとして有効であると考えられる。しかし、その交流が、自己内対話の遮断として機能する場合も考えられる。今回の結果からは、自己内対話効果と対他者協同効果の分離が示唆された。キャリア教育に多用されるワークショップの場面において、学生の協同(課題設定等)→沈思黙考(カード書き込み)→口頭コミュニケーションによる協同(カテゴライズ作業等)→協同・沈思黙考(振り返り)というプロセスに関して、ICT活用分析を通して、自己内対話と協同の相乗的促進のための、評価付与、揺さぶり、新たな課題提示などの教師の指導行為の方法と効果を検討する必要がある。 著書 C2 共著 聖徳大学FD紀要 『聖徳の教え育む技法』 7号 B5版 西村美東士、清水英男、長江曜子、斉藤豊、齊藤ゆか、林史典 pp.63-73 11p
305 2013/3/11 書評『ギャルと不思議ちゃん論−女の子たちの三十年戦争』 3050.pdf 3050.txt 女子特有の対立構造は、クラスの中にも見られよう。DeSeCoのいう「異質な集団で交流する」というキー・コンピンテンシーの育成も簡単にはいかない。だが、終章において、きゃりーぱみゅぱみゅの分析に至るとき、この対立構造の鮮明さに、やや陰りが生ずる。多元的な自己を操って生きる若者たち」にとって、多数派の渋谷系に対する少数派としての彼女の原宿系ファッションを、交友に合わせて選択することは「不思議ではない」。現代青年のこのような「多元的自己」は、「存在確認」というより「存在戦略」ととらえられる。だとすれば、われわれも、これを上手に誘導して、彼らが同化圧力を乗り越え、異質の他者と交流して、より良い「存在確認」ができるよう、戦略を立て直すべきといえよう。 その他(書評) C4 単著 日本教育新聞社 『週刊教育資料』 1243号 B5版 pp.34-34 1p
306 2013/3/31 社会形成者の育成の観点に立った生涯教育学序説(1) 3060.pdf 3060.txt 1990年昭和音楽大学勤務となって以降、筆者は「個に対する関心」に注目して実践と研究を進めた。そして、実践のなかで、「こころ志向に対する関心」へとシフトし、さらには「癒しに対する関心」へと発展してきた。文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業社会連携研究推進事業「連鎖的参画による子育てのまちづくりに関する開発的研究」の原案作成者及び研究統括として研究を進めるなかで、「個人完結型子育て観から社会開放型子育て観への転換」という鍵概念を得た。本研究の分析の枠組みとしては、分野については、@教育方法、A集団形成、BICT活用、視点については、@対面志向、A個人志向、B癒し志向、C社会開放志向、D社会形成志向のマトリクスを想定する。これを、筆者自身の関心に沿って、社会状況の変化、社会形成に関わる研究成果、団体等の活動、自治体の生涯学習推進施策、国の教育政策などの動向と対照させながら再検討する。 著書 C2 単著 聖徳大学生涯学習研究所紀要 『生涯学習研究』 11号 A4版 pp.1-29 29p
307 2013/4/11 書評『僕たちの前途』 3070.pdf 3070.txt 社会学では、個人の自由な選択に責任が帰せられる個人化のマイナス面を強調する。しかし、若手社会学者である古市は、「どうせお金を稼ぐなら、好きな人と好きなことをやっていたい」、「社会を変えたいなんてだいそれた気持ちはない」と言う。社会に猛烈に立ち向かわないことによって、彼は「個人化の罠」からくぐり抜けてきたといえる。さて、教育においては、「自由格差社会」のなか、どのように若者の労働観を育てるのか。「猛烈に自己決定で生きよ」というのか、それとも「自分らしさを大切にするためには、くぐり抜けよ」というのか。評者は、理想追求の教育においては、そのどちらでもなく、青少年の個人化のプラスの側面を伸ばしつつ、私生活を大切にしながら、職場や地域では、他者と切磋琢磨し、支え合う人材を育成することが可能と考える。 その他(書評) C4 単著 日本教育新聞社 『週刊教育資料』 1247号 B5版 pp.34-34 1p
308 2013/5/6 書評『震災からの教育復興−岩手県宮古市の記録』 3080.pdf 3080.txt 本書は、「教育復興」の観点から、@PISA等の国際順位の低下に敏感に反応した結果としての「ゆとりと充実」路線から「確かな学力」路線への軌道修正、A教育指導や学校運営の効率性を高めることに視点を置いた学校の適性配置政策の推進の二点について再検討を促す。「学習のケア」だけでなく、「心のケア」「生活のケア」を、そして学校を地域コミュニティの文化拠点として考える観点を効率化の観点と並立的に捉え、前者に、遊びや住民の満足度を組み込んだ発想を見出している。これを読んで、学校教育がそもそも児童・生徒一人一人の幸福追求と生涯学習の基礎づくりのためにあり、また、学校施設が住民の生涯学習の拠点の一つとして存在していることを再確認することができた。 その他(書評) C4 単著 日本教育新聞社 『週刊教育資料』 1251号 B5版 pp.34-34 1p